「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡に関連した偶発症の全国調査」について
患者さんへ
消化器疾患の診断や治療に消化器内視鏡が広く用いられています。内視鏡検査による粘膜生検や内視鏡治療では消化管出血のリスクがあります。また、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓によって起こる病気の予防や再発防止のために抗血栓薬(抗凝固薬、抗血小板薬などの俗に言う血をサラサラにする薬)の服用は、更に消化管出血をしやすくする恐れがあります。しかし、出血予防のために抗血栓薬を休薬することで、脳梗塞など血栓症の危険が高まることが判明しています。そのため、日本消化器内視鏡学会では、消化管出血だけでなく、血栓塞栓症の誘発にも配慮して、抗血栓薬の休薬期間、方法などについて新たに提示した「抗血栓薬服用者に対する内視鏡診療ガイドライン」を昨年作成しました。
今回このガイドラインの妥当性を検証する目的で、日本消化器内視鏡学会の指導施設を対象に、全国調査を行うことになりました。この全国調査を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための内視鏡診療方法の検討が可能となります。何卒趣旨をご理解の上、ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
日本消化器内視鏡学会 医療安全員会
1.本調査への参加について
本事業への参加は、患者さんの自由な意志に基づくものであり、参加されたくない場合は、データ登録を拒否して頂くことができます。なお、登録を拒否されたことで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。
2.本調査の目的
日本消化器内視鏡学会は「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」を作成しました。しかし、多くは西欧諸国の証拠に基づいており、日本人における証拠が少ないことがあります。そのため、本ガイドラインの公表後の抗血栓薬に関連した偶発症の実態を学会として検証することが求められています。以上より、本学会は「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡に関連した偶発症の全国調査」を行うことにいたしました。
3.調査する情報の内容
調査する情報は日常の診療で行われている内視鏡検査の種類や方法、内服している抗血栓薬の種類と休薬の有無、検査に伴う偶発症等となります。全国の日本消化器内視鏡学会指導施設1247施設で平成25年9月から平成26年3月までの6ヶ月間のうち、1週間(計5日:月曜日から金曜日)の対象者を調査します。
これらの情報は、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないものですが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。情報の取り扱いや安全管理にあたっては関連する法令や取り決め(「個人情報保護法」、「疫学研究の倫理指針」、「臨床研究の倫理指針」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。調査されたご自分のデータをご覧になりたい場合は、受診された診療科にお問い合わせください。
4.登録される情報の使われ方
調査された情報は、新たなガイドライン作成に使われ、皆さまの健康の向上に役立てるために、参加施設ならびに各種臨床領域にフィードバックされます。この際に用いられる情報は集計・分析後の統計情報のみとなりますので、患者さん個人を特定可能な形でデータを公表することは一切ありません。情報の公開にあたっても、日本消化器内視鏡学会医療安全委員会で十分議論し、そこで承認を受けた情報のみが公開の対象となります。
※お問い合わせについては受診された診療科または日本内視鏡学会事務局までご連絡下さい。
日本内視鏡学会 http://www.jges.net/index.php/
日本消化器内視鏡学会事務局 Email:info@jges.or.jp (医療安全委員会)