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臨床工学室について
臨床工学技士とは、昭和62年に制定された新しい医療専門職で、厚生労働大臣の免許を受けて「医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作および保守点検を行うことを業とするもの」となっています。
生命維持管理装置とは、人の呼吸、循環、代謝などの生命維持に直接関わる機能を代行・補助する特別な装置で、血液浄化装置や人工呼吸器等があります。
医療機器の進歩に伴い、医学と工学の両方の知識を併せ持つ臨床工学技士が医療の重要な一翼を担っています。
当院の臨床工学室には、臨床工学技士が5名・技士助手1名在籍し、日々、人工透析室や病棟、手術室などの生命維持管理装置の保守点検及び操作を行っています。
また、医療機器の専門職として、一般的な医療機器の保守点検も行っています。管理している医療機器は、輸液ポンプやネブライザーなど600台以上になります。
臨床工学室では医師、看護師など他の医療職と連携し、医療機器を通して
“医療の質の向上に努め、地域社会に貢献すること” を目指しています。
整備された医療機器で安全を
臨床工学室室長 医療機器安全管理責任者 岩野哲也 |
近年の医療は、多種多様な医療機器が病棟・手術室・外来・検査・放射線といった臨床の場で数多く使用され目覚ましく進歩しています。これらの機器は年々高度化し、その依存性も高まっています。
医療機器管理は、各医療機器メーカーメンテナンスを受講した臨床工学技士が、定期点検・消耗品交換修理を行い、治療・検査中の機器のトラブルを未然に防いでいます。
また、毎月中央管理医療機器の破損状況と修理コストを集計し、破損の原因究明と対策を行い破損減少とコスト削減を行っています。
医療機器管理責任者として
◆院内・在宅医療機器の購入・破棄・メンテナンス等の計画管理
◆稼働状況データ収集による、中央管理医療機器台数の効率的台数運用
◆医療スタッフへの医療機器勉強会による安全性の確保
◆平成29年度より、透析部門・ME部門・手術室部門を創設
各部門に臨床工学技士の管理者を配置し、医療機器管理の充実を計っている。
今後も、安全な医療を提供することが出来る様に、全力を尽くしていきたいと考えています。
臨床工学室設立までの概要
1993年 | 透析業務看護師2名が臨床工学技士免許を取得する。 |
1995年 | 病院新築に伴い、透析ベッド数14床から25床に増床 |
1998年 | 臨床工学技士1名増員 (臨床工学技士2名体制) |
人工呼吸器の保守管理開始 | |
2000年 |
臨床工学技士1名増員 (臨床工学技士3名体制) |
2001年 | 人工透析 月水金2クール開始 |
2004年 | 輸液ポンプ・シリンジポンプの中央管理化 |
除細動器の保守管理 | |
透析ベッド数2床増床 (透析ベッド数27床) | |
2005年 | 臨床工学技士1名増員 (臨床工学技士4名体制) |
2007年 | AED(自動体外式除細動器)の保守管理 |
2009年 | 体動コール”うーご君”の中央管理化 |
漏れ電流測定装置 Leak current checker導入 | |
2010年 | 人工呼吸器(NPPV)の保守管理 |
除細動器用検査機器 エネルギーチェッカー AX-103V導入 | |
2011年 | 『臨床工学室』設立 |
離床センサー”コールマット”の中央管理化 | |
2014年 | 患者監視モニターの定期点検 |
パルスオキシメーターテスタ SRC-MAX導入 | |
2015年 | 超音波ネブライザーの中央管理化 |
2016年 | 臨床工学技士1名増員(臨床工学技士5名体制) |
手術室中材の医療機器管理 | |
2017年 | 点滴台の中央管理化 |
患者監視モニター中央管理化 | |
エアーマット中央管理化 | |
医療機器チェッカー AX-410G導入 | |
3部門(透析・ME・手術室)創設 |
業務内容
血液浄化業務
低下した腎臓の働きを代行する生命維持管理装置が人工透析装置です。
臨床工学技士は透析装置の準備や操作、RO装置などの保守、水質管理を行っています。
呼吸治療業務
肺の機能が働かなくなり、呼吸が十分にできなくなった患者さんには呼吸を代行するための人工呼吸器という装置が装着されます。
その際、臨床工学技士は人工呼吸器が稼働している場所へ行き、安全に装置が使用されているか装置に異常がないかなどを確認します。また人工呼吸器のメンテナンス・管理等も行っています。
始業点検 |
ラウンド風景 |
医療機器管理業務
院内にある医療機器が性能を損なうことなく安全で適正に使用されているか、計画的に点検を実施しています。
また、輸液ポンプ、人工呼吸器、ネブライザーなどを中央管理することで、安全かつ効率のよい医療機器の管理運営を行っています。
手術室業務
教育業務
医療従事者が適切に医療機器を使用できるように教育訓練することは、医療安全を行う上で欠かせないものです。
臨床工学室では、実際に医療機器を使用した操作訓練やトラブル対応訓練を定期的に実施しています。
特に、人工呼吸器・補助呼吸器に関しては、看護師に対してワンツーマン体制で個別訓練を実地しています。
また、自己研鑽を目的とした学習会や学術的研究にも参加しています。